「民 際」 と 「共 生」 な 眼 で 世 界 の 中 の 日 本 に 思 い を は せ て ・・・

24 専属スタイリスト募集 【にしゃんた こらむ】

観光や留学で別の国に行くと、いろんなものが変わります。いちばん大きいのは言葉やろうけど、日本に来てもう16年。関西弁はいっぱしに使いこなしてます。
そんな僕がいまだに適応できていないものといえば……ずばり「ファッション」ですわ。

 ●

たとえば、破けたジーンズ。日本ではイケてることになってますけど、スリランカで穿いてると、おかんに「みっともない! 恥ずかしいから脱ぎなさい!」と怒鳴られることになります。
スリランカの学生服って、全身真っ白なんですわ。女の子は白のワンピースにネクタイ。男の子は白のズボンとシャツ。これは決められてて変えられへん。
僕の場合、学校の授業が終わるとすぐに、その真っ白な学生服から悪臭漂うジャージに着替えて、夜遅くまでラグビー三昧。学生時代の服装といったら、はっきり言ってその2種類ですわ。
さらに全寮制やったので、顔を合わせる人はいつも同じ。
こんなんじゃ、おしゃれに気を使うという動機がまったく発生せーへんでしょ?
連れらとの話題も、女の子の「身体の不思議」が中心で、着ているものは素通りです。ファッション雑誌も見たことないし、髪型なんかお構いなし。

 ●

そんなわけで、日本に来たころの僕は、ほんまにデタラメな格好してました。いまあらためてそのころの写真を見てみると、
七・三に分けたクセ毛の髪、ストーンウォッシュのジーンズ、わけのわからんセーター、なんとも不気味なジャージ……
とにかく「スゴイ」のひとことです。
日本にやってきたのは10月。常夏の国スリランカ出身の僕は、そのとき初めて「冬」を知ったんですね。冬服なんかもちろん持ってへん。凍える哀れな僕を見て、当時下宿していた滋賀県坂本の方々が、ご近所中から「おふる」を掻き集めてくれたんです。
年配の方ばっかりやったから、「おふる」はかなりの年代もの。でも、当時の僕にはそんなこと関係ない。恥ずかしさを感じる余裕なんてないですしね。
せやけど、大学に入って、颯爽とキャンパスを歩く日本人学生を目の当たりにすると、嫌でも自分の格好を自覚させられます。
「もっとお洒落な格好して女の子にモテたい!」ようやく、ファッションに目覚めたんですわ。そうは言っても、お金もなければセンスもない。心の中ではメラメラと嫉妬しながら「男は中身で勝負や!」って強がったりしてました。
当然のことながら、モテるはずがない。中身を理解してもらう前に、近寄ってももらわれへん。あの時代は……辛かった。

 ●

そうして数年が過ぎたころ。生活にもゆとりができ、ファッション雑誌なんかも読むようになりました。
「そろそろ、デート用の勝負服を用意せなあかん」
ある日、一大決心をして、洋服を買いに出かけたんです。
僕は自信を持って選びました。
ピンクのジーンズと水色のスニーカー。
「にしゃんた!チンドン屋になったんか?」
このお気に入りのコーディネート、大笑いされまして。
どうも僕がお洒落できへんのは、そもそもセンスが悪いみたい。学生時代に原因を求めてる場合や無いですわ。

 ●

開き直った僕は、いい方法を思いつきました。女の子は、男よりファッションに敏感。ならばいちばん身近にいる女性に、コーディネートをお願いすればいいじゃないか!!
この作戦を取るようになってから、少なくとも「チンドン屋」と言われることは無くなりました。その代わり、「にしゃんたファッション」というものがこの歳になっても確立できずにいるんです。
彼女が変わるたびに、着る服が変わる。黒が好きな女の子と一緒にいるときは、全身黒ずくめ。白が好きな女の子と一緒にいるときは、全身白ずくめ。ミッキーが好きな女の子と一緒にいるときは、全身ミッキーですわ。

 ●

ふと気がついたらここ10年近く、自分一人で服を買ったことがない。今日も山口で服を買いに出かけたんですが、怖くて何も買えませんでした。悲しいけど、これからも誰かに服を選んでもらうことになると思います。
もし今後、僕のファッションが安定したら、
「そうか、にしゃんた。結婚したんや」
って思ってください。

コメントする

所属事務所

 (株)インナースケッチ

innersketch.jpg

http://www.inner-sketch.com/

TEL:06-6886-1175
FAX:06-6886-1176

お問合せフォームはこちら

2010年9月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30