48 僕に名前をつけてください 【にしゃんた こらむ】
この前、高校生のためのオープンキャンパスがありまして。日曜日なのに、お昼の1時に大学集合。その日、僕は遠野に行ってましてね。それに間に合うようにと遠野を出発したんは、なんと朝4時。
僕の仕事は15分間の「漫才」をやることやったんです。少子化が進む今日このごろ、大学は激戦の時代です。大学の教員として、教育だけではなく、経営(つまり学生集め)にも関わっていかなあかん。
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漫才の相方は、先輩教員のシャルコフさん。アメリカ出身。与えられたお題は「ここがヘンだよ国際化」。
「日本人にはなりたくない」というシャルコフさんと、「日本人になりたい」というにしゃんたが、トークバトルをするという設定ですわ。
シャルコフさんは、「私は日本が好きですけど、日本人になるつもりはない。この外見や訛りでは、誰も僕を日本人とは認めてくれない」と主張しはった。僕が応戦する。
「僕は気がついたら、スリランカで生まれてたんです。そんな自分の意志とはかかわりの無いものに、振り回されたくない。僕は日本が好きなんです」
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再び、シャルコフの出番。
「でも、にしゃんたは、日本人になれないと思う」「なんで?」
「だってこの前、3000円のギャラで講演をして欲しいって頼まれたとき、『何のメリットもない』って断ってた。日本人なら、そうは言わない。だから、あなたは外国人だ」
……悔しい。
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実はいま、帰化の手続きを進めているんです。まぁ、エッセイのネタにするため、っていうくらいの軽い気持ちなんですけどね。ほんま、それくらい僕にとっては国籍なんてどうでもいいんですよ。
手続きを頼んだのは、知人の行政書士さん。
「にしゃんた君。帰化までせずに、永住権くらいでとどめといたら? 帰化したらスリランカへ帰るにも、ビザがいるようになるよ」
「いや、スリランカのパスポートでは、かえって動きにくいんですわ。GNPの低い国やから。ビザ取るんに何ヶ月も待たされたりするし」
「……なるほど」
というわけで、ただいま帰化作業の真っ最中。ようさん書類がいりまっせ。両親の結婚証明書に、妹の子供の出生証明書まで。
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そして……僕は名前がほしいんですわ。日本人になると、苗字が必要ですよね。僕の長い名前の一部である「しんは」を、漢字にして使うという案が学生たちの間から出ました。「神波」っていう当て字ですって。カッコいいでしょ。知り合いの日本語の専門家である先輩教員は、「獅玻」(これも「しんは」って読めるみたい)はどうかって言うてます。
J.A.T.D. にしゃんたで引き続き生活するかもしれない。でもとりあえず手続き上は名字がほしい。画数などなど含めて、僕に名前をつけてください。ひとつよろしく。
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